副業の税金・確定申告ガイド
更新日: 2026-03-30
副業の所得と確定申告
会社員が副業で得た所得(収入から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。これは所得税に関するルールで、所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。
ただし、注意が必要なのは住民税です。住民税には「20万円以下なら申告不要」というルールがありません。副業所得が1円でもある場合、原則として市区町村への住民税の申告が必要です。確定申告を行えば住民税の申告は不要になるため、手続きを一本化したい場合は所得が20万円以下でも確定申告を行うという選択肢もあります。
また、副業先で源泉徴収されている場合(アルバイトなど)は、確定申告をすることで払いすぎた税金が還付される可能性があります。特に副業の年間収入が少額の場合は、確定申告で税金が戻ってくるケースが多いです。
副業の種類と所得区分
副業の内容によって、税法上の「所得区分」が異なります。所得区分によって経費の計上方法や税額の計算方法が変わるため、自分の副業がどの区分に該当するか把握しておきましょう。
【給与所得】アルバイトやパートなど、雇用契約のもとで受け取る給与は給与所得に分類されます。本業の給与と合算して税額が計算されます。給与所得控除が自動的に適用されるため、個別に経費を計上する必要はありません。
【雑所得】副業の中で最も多いのがこの区分です。クラウドソーシング、フリマアプリでの販売、アフィリエイト収入、原稿料、講演料などが該当します。収入から必要経費を差し引いた金額が所得になります。
【事業所得】副業が反復・継続的に行われ、社会通念上「事業」と認められる場合は事業所得になります。開業届を出して青色申告を行えば、最大65万円の青色申告特別控除を受けられるメリットがあります。ただし、会社員の副業で事業所得と認められるには、相応の規模・継続性が求められます。
【その他】株式の売買益は譲渡所得、株の配当金は配当所得、不動産賃貸収入は不動産所得に分類されます。これらは本業・副業に関わらず該当する所得区分で申告します。
経費にできるもの・できないもの
副業(雑所得・事業所得)では、収入を得るために必要な支出を「経費」として差し引くことができます。経費が多いほど所得が減り、税金も少なくなります。
【経費にできるものの例】パソコン・タブレット等の購入費(10万円未満は全額、10万円以上は減価償却)、インターネット回線・スマートフォンの通信費(副業利用分)、副業に関連する書籍・教材費、取材や打ち合わせの交通費、文房具やプリンター用紙等の消耗品、副業で使用するソフトウェアのライセンス費用。
【家事按分という考え方】自宅で副業をしている場合、家賃や光熱費の一部を経費にできます。これを「家事按分」といいます。たとえば自宅の一室を副業専用スペースとして使っている場合、部屋の面積比率で家賃を按分します。自宅の25%を副業に使っているなら、家賃の25%が経費になる計算です。合理的な按分基準を設定し、説明できるようにしておくことが重要です。
【経費にできないもの】プライベートな飲食費、副業に関係のない衣服費、家族との旅行費、交通違反の罰金などは経費にできません。経費に計上する場合は必ずレシートや領収書を保管し、何の支出かメモしておく習慣をつけましょう。税務調査で経費の根拠を求められた場合に証拠書類がないと認められない可能性があります。
確定申告の流れ
副業の確定申告は、毎年2月16日〜3月15日の期間に行います。還付申告(税金が戻ってくる場合)は1月1日から提出可能です。
【必要なもの】源泉徴収票(本業の分)、副業の収入がわかる書類(支払調書、銀行の入金記録など)、経費の領収書・レシート、マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード+本人確認書類)。
【e-Taxがおすすめ】国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、自宅からオンラインで申告を完了できます。マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)があれば、e-Taxで電子送信が可能です。書面で提出する場合は、税務署への郵送または持参が必要です。
【申告の流れ】まず、本業の源泉徴収票の情報を入力します。次に、副業の収入と経費を入力します。画面の指示に従って控除の情報(ふるさと納税、生命保険料控除等)を入力し、納税額または還付額を確認したら申告書を送信(提出)します。納税がある場合は期限までに銀行振込やコンビニ納付などで納付します。
副業がバレないために
会社の就業規則で副業が禁止または制限されている場合、副業が会社に知られてしまう最大の原因は「住民税」です。
通常、会社員の住民税は給与から天引き(特別徴収)されます。副業で所得が増えると住民税も増えるため、本業の給与に対して住民税が不自然に高いことから、会社の経理担当者に気づかれる可能性があります。
これを防ぐ方法として、確定申告書の「住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択する方法があります。これにより、副業分の住民税は自宅に届く納付書で自分で納付することになり、会社の給与からは天引きされません。
ただし、いくつか注意点があります。自治体によっては普通徴収を選択しても特別徴収に統一される場合があります。また、副業がアルバイト(給与所得)の場合は普通徴収が選択できないケースが多いです。さらに、同僚やSNSなど住民税以外のルートでバレるリスクもゼロではありません。
副業を始める前に、まず会社の就業規則を確認し、可能であれば上司や人事部門に相談することをおすすめします。近年は副業を認める企業が増えており、事前に申告すれば問題ないケースも多くなっています。マネラテの「副業税金シミュレーション」ツールで、副業の手取りや税金を事前に確認してみてください。